変動金利は本当にリスクが高いのか?
「変動金利と固定金利どちらを選べばいいの?」。
住宅ローンを組む時、皆さんが一番悩まれるポイントです。
現在の低金利が続くことを信じて、金利の低い変動金利を選ぶか、それとも
金利は少々高くても、金利がずっと変わらない安心の固定金利を選ぶか?
どちらを選ぶかで総返済額が大きく変わる可能性がありますから、今後の生活にかかわる大切な選択ですよね。
お客様にどちらを考えているのか尋ねると、
「今だけの金利を考えると、変動金利を選びたい。でも、返済額がコロコロ変わりそうで……」という不安の声が出てきます。
不安がなければ、変動金利に飛びつきたいのが本音というところでしょうね。
では、実際に変動金利はコロコロと返済額が変わるのでしょうか?
変動金利について1行で説明すると、
“金利は年2回見直しがありますが、返済額は5年間変わりません”
これが仕組みです。
つまり、住宅ローンの変動金利は、毎年4月と10月の2回見直しはあるものの、たとえ見直しで金利が変わったとしても、当初から5年間は返済額が変わらないということです。
住宅ローンを組んだ後、5年間は安心できますよね。
では、その先、5年後はどうなるのでしょうか?
たとえば、現在の元利均等返済の住宅ローンの返済額が10万円で、
そのうち、元金が6万円、利息が4万円とします。
もし、10月の金利見直しで金利が上がり、利息が5万円になったら、
返済しなければいけない額が元金6万円+利息5万円で月々11万円になります。(実際の金利計算は残金×金利÷12です)
でも、最初の5年間は変わらず、当初の10万円で据え置かれるという話ですよね。本来なら11万円払わなければならないのに……。
この差額はどうなるのでしょうか?
銀行のお目こぼしで消えていくならラッキーなのですが、
そうはいかないんですよね。
最初の5年。
月々払う10万円の中身は、金利が上がると……
元金6万円+利息4万ではなく
元金5万円+利息5万円という内訳に変わっています。
どういうことかと言うと、
本来払わなければならない11万円-10万円の差額1万円は、元金で調整されているのです。
そして5年後には、残った元金と残期間、その時の金利を加味してその後の返済額が決まるのです。
正直、金利が上がっていると不安になりますよね。
「金利が上がり続けて、返済額が10万円から20万円になったら生活できない!」ここまでの話だと、そんな危機感を抱かれる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、サラリーマンの場合、給料が一気に上がりませんので、そうなると返済していけないのが現実ですよね。
でも、こんなに上がることはまずありません。
なぜならば“125%ルール”というものが存在するからです。
これは、返済額を見直したときに前回の返済額の125%以内に収めなければならないというルールです。
月々10万円返済している人なら、最大で12.5万円までしか上がらないということです。
さらに、一般的には金利が上がりっぱなしということはまずありません。
ですから、金利が上がっても5年の間で調整がつくのでしょうね。
これで少しは変動金利に関してご安心いただけたかと思います。
仕組みを知るって大切ですよね。
変動金利型の中で気をつけるべき商品は?
さて、仕組みをしったうえで理解しなければならないのがリスクです。
「変動金利に心が傾むいてきた~」という方に、水をさす気はないのですが、
注意点も知っておいてもらいたいのです。
まず先ほどの125%ルール。
もし今後金利が上昇しすぎて、125%内で利息がまかなえなければ、未払い利息というものが発生します。
その場合、未払い利息は最終返済時に決済することになっています。
こういう事態になることはまずないと思いますが、そういう決まりがあることだけは記憶に留めておいてください。
それと、今回の変動金利に関する話は、都市銀行や地方銀行、すなわち、よくある普通の日本の銀行に限ったこと。
つまり、例外もあるということです。
例えば、最近のネット系の銀行は、「金利がコロコロ変わりそうで……」という不安的中、金利が変わりやすいようです。ただ、金利が安いのでついつい魅かれちゃうんですけどね。
また、自行で独自に金利を決めている銀行もあります。これは金利が予測できないので怖いですよね。
どういうことが起こるかというと、
実際、数年前のリーマンショック、日本が政策金利を引き下げた時の話。
各銀行の基準金利も連動して下がったのですが、ある銀行は金利を引き上げているんです。
景気が悪くなり、銀行の業績も落ち込みそうになったら、金利を引き上げた。
どう思います? 自行の利益を守ることが優先で恐ろしいですよね。
たまにそういう所があるので、住宅ローンを借りるときは、変動金利が何に連動しているか確認しておいてください。
ほとんどは政策金利と連動する短プラだと思いますが、たまに長プラ連動の商品もあります。こちらも短プラよりも金利の変動が激しいので注意してくださいね。
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