住宅ローンを組む前に知っておきたい団体信用生命保険のあれこれ!

1.団体信用生命保険ってなに?

住宅ローンを組む時に付随する団体信用生命保険。

ご存知ですか?

借入の際の加入条件になっていることが多く、
ほとんどの人が入ることになる生命保険です。

住宅ローンの契約者が、返済中に亡くなったり、
高度障害状態になってしまった時、残額を肩代わりしてくれます。

これにより、残りのローンの返済が必要なくなり、残された家族の経済負担を軽減する効果があります。

ここではその基礎知識と注意点についてお話していきたいと思います。

2.押さえておきたい基礎知識と注意点

そもそも、住宅ローンとは、何十年に渡り返済していく方々がほとんど。

その間、契約者に万が一のことがあれば、残った住宅ローンはどうなるのか? 

だれが返済していくのか? 

高額だけに路頭に迷いますよね。

そういったことがないように設けられた生命保険の一種です。

「フラット35」などの一部の例外を除き、ほとんどの住宅ローンの加入条件になっています。

契約者が返済途中に死亡、もしくは高度障害状態になった時、住宅ローンの残額を契約者にかわって一括返済してくれるもので、それにより、残った家族は住宅ローンの返済に困ることなく、安心して家に住み続けることができます。

新たな生活のスタートに、住居費の負担がないことは、ありがたいことですよね。

ですが、はじめての住宅購入となると、この存在を知らない人がほとんど。

住宅ローンの契約時に初めて知って、銀行員に言われるがままに契約してしまうパターンが多いのです。

また、団体信用生命保険、通称「団信」は、明確な保険料がありません。

金利に上乗せされる形となるので、払っている感覚がなく、この保険の存在を忘れてしまう方も多くいらっしゃいます。

注意しなければいけない点は、すべての人が加入できるとは限らないということです。

やはり生命保険の一種なので、健康状態に問題のある人は厳しいです。

病気の種類や症状、持病や既往症のある人が、まれに加入できないケースもあります。

となると、住宅ローンは団信の加入条件が必須のところが多いので、住宅ローンの審査が通らないということになります。

家を買うことが第一目的なのに困りますよね? 

住宅ローンに対するハードルが高く感じられるかもしれませんが、団信の健康告知は一般的な生命保険よりも項目が少なく、比較的加入しやすいのでご安心を。

また、団信に入れない人は家を買えないのか? 

というと、そうでもありません。

先ほども触れましたが住宅金融支援機構の「フラット35」なら、団信への加入が任意なので、健康状態に関わらず住宅ローンを組むことができます。

健康状態に不安のある人は、こちらを考慮しておくといいでしょう。

3.団体信用生命保険にはいくつか種類がある

団信は、契約者に万が一のことがあった場合に残額を肩代わりしてくれる効果があることをお話ししましたが、その一般的な団信だけではなく、ほかにも種類があります。

三大疾病 保障付き団信、八代疾病保障付き団信などです。

三大疾病 保障付き団信

三大疾病特約付き団信は、ローン契約者が死亡・高度障害状態だけでなく、がんや脳卒中、急性心筋梗塞といった三大疾病にかかった時も、残額を肩代わりしてくれる保険です。

なかには、一定期間月々のローンを負担してくれるものや、それ以上の症状が続いたときにローン残額を肩代わりするといった二段構えになっているタイプもあります。

金利の上乗せや、所定の条件は銀行によって異なりますので、その部分も確認して加入したいものです。

八代疾病保障付き団信

八代疾病特約付団信は、三大疾病プラス五疾患(糖尿病、高血圧性疾患、肝硬変、慢性膵炎、慢性腎臓病)になった時もローンを肩代わりしてくれる手厚い保険です。

こちらも金利の上乗せや、所定の条件は銀行によって異なりますので、自分のニーズに合うものか調べておく必要がありますね。

4.フラット35の新機構団信

先ほど、健康状態が気になる人でも入れるローン「フラット35」についてお話ししました。

団信に入らなくても組めるという特徴がありますが、こちらにも金利によって加入できる団信付きの商品が登場しました。

以前は年に一回特約料を支払う必要があったのですが、それもなくなり、必要な経費がすべて含まれたパッケージものです。

商品は一般と三大疾病付きがあります。

他の住宅ローンとは補償内容に違いがあり、一般的な新機構団信は契約者の死亡及び身体障害状態で保険がおります。

三大疾病付きも新三大疾病機構団信なら、死亡と三大疾病だけでなく、身体障害状態と要介護2~5の時も残額の支払いが不要になります。

これは国内団信初の試み。

一般的な住宅ローンより手厚く充実した内容ですよね。

新機構団信は借入金利によって団信の種類が異なりますので、その辺も考慮して選んでください。

5.団体信用生命保険でカバーできないリスクとは?

団信の効果について説明してきましたが、死亡や三大疾病、高度障害以外でも住宅ローンの支払いが困難になるケースはあります。

例えば、病気やケガで長期間にわたって働くことができなくなった場合、一部の団信を除いてはカバーできません。

貯金や会社から支給される傷病手当でしのげるのは短期間です。

そういったケースに備えて、就業不能保険に入ることは方法のひとつです。

就業不能保険とは、病気やケガで働けない状態になったときに、毎月の給料のような形で保険金を受け取れるものです。

いざという時に頼りになりますよね。

団信でカバーしきれない部分の補完として検討してみるのもありです。

6.生命保険に余分に加入していないか確認

住宅ローンを組んで団信に入った際、見直してほしいのが生命保険です。

住宅ローンの契約者は世帯主であることがほとんどかと思います。

であるなら、別途生命保険に入ってらっしゃる人も多いことでしょう。

団信も生命保険ですので、補償内容が重複している場合は、損になりますよね。

その部分を見直してほしいのです。

一般的な生命保険には、契約者に万が一のことがあった場合、遺族が経済的に困ることのない保障内容になっています。

具体的に言うと、掛け金にもよりますが、住居費、生活費、教育費がカバーできる内容になっていると思います。

ですが、団信に入ると、残りのローンは完済になり、住居費が必要なくなります。

となると、生命保険でかけている住居費の保障が重複していることになりますよね。

この保険金を削減すれば生活に余裕資金が生まれます。

掛け金にもよりますが、月々1~1.5万円が浮いてくる計算です。

35年払い続ければ420万円~630万円ですから、バカにはなりませんよね。

保険料は人生の三大支出と言われています。

賢く抑えるためにも、団信に入っている人、これから入る人は内容を精査しましょう!